似非恋愛 +えせらぶ+
今もみあが彼と一緒にいるのは、氷田君がみあを選んだからなのだろうか。それとも、まだ複雑な関係は続いているのか。
すると、みあが深いため息をついた。
自分を責めるような、そんな笑みを浮かべる。まるで、自分が愚者であることを呪うかのように。
「次第に……私はうまく笑えなくなりました。陣と一緒にいて……痛みしか覚えなくなったんです。陣のことが好きだったから……好きだったから、辛かった」
吐き出すように、澱を流すかのように告白を続けるみあの辛そうな顔に、私はもうやめてと言いたくなった。
もういい、言わなくていいと――自分勝手にもそう思ってしまった。