似非恋愛 +えせらぶ+

 * * *



 あの日、珍しく早く帰った私が部屋に入ったら、ソファで真治が見知らぬ女といた。その体制は事に及ぼうとしているのが丸わかりで。



「え、か、香璃……」




 あまりの光景に私は言葉を失い――……、





「……会社に泊まる。2日は帰らないから」




 怒りにまかせてそう言って、その場を去った。
 そして、2日経って家に帰ってみれば、真治の荷物は綺麗になくなっていた。








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