似非恋愛 +えせらぶ+

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 意気地のない自分が嫌いだ。

 妙に大人になってしまった自分が嫌いだ。

 もう少し若かったら、傷つくことを怖がらなかったのに。
 傷つくことを恐れず、当たって砕けるくらいの行動ができたはずなのに。

 今の私は大人になってしまったから、傷つく痛みを知ってしまっているから、前に踏み出せない。

 熱いシャワーを浴びながら、全てが流れてしまえばいいと思った。

 私の意気地なしの心も、自分勝手な真治との再会も、斗真との偽物の関係も、全部なくなってしまえばいいと思った。

 全部綺麗になったら、零からやり直したいと、切実に願った。


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