過ぎ去りし結婚式
突然の恋人
「僕と結婚して欲しい・・・」
そんな言葉を本当に言うとは思わなかった。
物事は起こってから、すぐには実感できない。嬉しい気持ちは、時間が経ってから、いや、経つにつれ、確信に変わり、実感できる。

今思えば、もっと嬉しそうな顔をしながら、涙も流して、
「私なんかで本当に良いの・・」と言ったような、誰もが思い浮かべるシーンを、再現すれば良かったとも思う。
私といえば、
「うん」
と一言、いつもと同じ表情でうなずいただけだった。

それでも司郎君は、嬉しそうに笑っていた。
その日から、6年過ぎようとしている・・
< 1 / 3 >

この作品をシェア

pagetop