ラストフレーズ
うちに帰ると9時を過ぎていた。
「ユメ。携帯繋がらなかったけど、どこ行ってたんだ?」
仕事を終えた父がリビングにいた。
「川に落としちゃった…」とっさにそう答えた。
父は怒りもせず、キョトンとした顔をしていた。
「なにも壊さなくても明日、新しいの買ってやるつもりだったっつうの!父を信用しなさいよ。」
そう冗談っぽく言ってユメを少し和ませるとリビングから出ていった…
翌日の放課後、父親がユメに新しい携帯を買ってくれた。新しい携帯は前の携帯と違う色、違う形にしようと昨晩から決めていた。
携帯一つで心機一転できるほど世の中甘くはないのだが、何かせずにはいられない心境だった…
帰り道、シュンとの待ち合わせ場所に使っていた公園を横ぎると、10組ぐらいのストリートミュージシャンがライヴをしていた。
しばらく歌なんて聞きたくない…
そう思って足早に通り過ぎようとしたとき、シュンの歌声が聴こえてきた…
シュン…
思わずユメは歌声の方に走り出した。
しかし、そこにシュンの姿はなく、二人の若い男の人が歌っていた…
「ウソっ…シュンの声にそっくり…」
『運命の出会い』の再来だった…
「ユメ。携帯繋がらなかったけど、どこ行ってたんだ?」
仕事を終えた父がリビングにいた。
「川に落としちゃった…」とっさにそう答えた。
父は怒りもせず、キョトンとした顔をしていた。
「なにも壊さなくても明日、新しいの買ってやるつもりだったっつうの!父を信用しなさいよ。」
そう冗談っぽく言ってユメを少し和ませるとリビングから出ていった…
翌日の放課後、父親がユメに新しい携帯を買ってくれた。新しい携帯は前の携帯と違う色、違う形にしようと昨晩から決めていた。
携帯一つで心機一転できるほど世の中甘くはないのだが、何かせずにはいられない心境だった…
帰り道、シュンとの待ち合わせ場所に使っていた公園を横ぎると、10組ぐらいのストリートミュージシャンがライヴをしていた。
しばらく歌なんて聞きたくない…
そう思って足早に通り過ぎようとしたとき、シュンの歌声が聴こえてきた…
シュン…
思わずユメは歌声の方に走り出した。
しかし、そこにシュンの姿はなく、二人の若い男の人が歌っていた…
「ウソっ…シュンの声にそっくり…」
『運命の出会い』の再来だった…