ラストフレーズ
パッと見た限り、恋愛について書かれていた。B5版のルーズリーフいっぱいに書いてあった。

ボクはその中に気になる文章を見つけた。

『夢と引き換えに失うならば恋する意味はあるの?あなたと一緒じゃ夢は消えちゃうの?』

その文章は昔、ミサコの口から飛び出し、ボクらの関係を壊した言葉を思い出させた。

そしてその文章の最後には
『私を捨て夢にすがり付いたあなたはもう輝くことはない…』
と控えめに書いてあった。

二年前…
ボクは夢を捨てた。

夢は所詮夢。夢のままじゃ、お金はもらえない…

ミサコと結婚して一緒に暮らすにはお金が必要…

子供が出来たらもっとお金が必要…

お金がなきゃ、お金がなきゃ…ミサコはきっと幸せになれない!!

“ナラ、ユメナンテイラナイ…”

そしてボクは大学に進学して、普通に就職する道を選んだ…

ボクなりのミサコに対する愛のカタチだった…

ミサコも喜んでくれると思った。

でも…

「夢を追いかけてる少年のようなあなたが好きだったのに…私が夢の妨げならもう一緒にいられないよ…ゴメンね…サヨナラ…」

何も言い返せなかった…
ちょうどミサコの誕生日の前日だった…
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