ラストフレーズ
中学生の頃、泣いている子、困っている子を放っておく事が出来ない性格だった。

別に助けた子を好きだったわけでもなんでもなかったのだが、大体の子はボクの優しさに惚れて告白してきた。

ただ…そういう子に限っていざ付き合いうとボクのダークな一面を見ただけで勝手に失望する。そして結局すぐに別れる。

つまりボクは何が言いたいのかと言うと…
《好きでもない子に優しくする事は決して優しさではない》
という事。

高校から今まで軽い気持ちで優しくする事はしないできた。もちろんこれからもしないつもりだった…

でも…

ユメだけは助けたい、守ってやりたいと思った。

〈また昔と同じ過ちを繰り返す…〉

なんて全く思わなかった。
ボクはユメが好きで好きでたまらなくなっていた。

ユメの手を掴んだ後、5分くらいの沈黙が訪れた。

一度は逃げ出したものの、やっぱりユメとちょっとでも一緒に居たかった…

単なるワガママに過ぎないが一緒に居たかった…

5分後沈黙を破ったのはユメだった…

ユメはボクの手を振り切りいきなり抱きついてきた…
「やっぱり優しいね…好きになっちゃうよ…」

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