ラストフレーズ
高校卒業後ミサコは地元の専門学校に入ったとタツヤから聞いていた。
でもなんの専門学校で何年で卒業なのか等、詳しい事は知らなかった。
ただ、ミサコは地元に人一倍愛着を持っていたから地元を出る事はない…という事だけはわかっていた…つもりだった…


ボクとミサコが初めて出会ったのは高校一年の冬だった。当時のボクはバンドとケンカをこよなく愛する危ない少年だった…
もちろん勉強は嫌いだったが、なぜか昔から頭は良い方だったのでテストで赤点なんて事は全くなかった。
そんなわけでボクは勉強の心配もなく、毎日暴れまくっていた。

そんなある日、地元でボクのバンドが主催のライヴがあった。
何事もなく開演し、何事もなく他のバンドの演奏が終わり、ボクらの番になった時、
「ぶっ潰せぇ!」
という叫び声とともに20人くらいの高校生が乱入してきた。

以前、ボクにケンカを売ってボコボコにされた奴とその仲間だった。

そいつらは会場に入るやいなやアンプやら楽器やらを壊したり、関係ない客に暴力を振るったりと好き放題に暴れ始めた。

会場中から女の子の悲鳴が聞こえ、大パニックになった。
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