ラストフレーズ
第1章『運命のaudience』
最後の曲を歌い終わるとその女子高生は

「この曲って彼女か誰かに贈った曲なんですか?」

といきなり聞いてきた。

「いやいや、違うよ。この曲作ったとき彼女いなかったもん」

と慌ててこたえた。

「へぇ~。お兄さん以外にロマンチストなんだね☆」

その子は軽くボクをからかい、帰り際に、「また聴きに来るからそんときまでオリジナルの曲増やしといてね~」
と言い、走り去った。

しばらく、ボクとケンは口を開けたまま呆然としていた。

我に帰って帰る準備をしていると、ボクの携帯が鳴った。全く知らないアドレスからメールがきていた。

(メールの内容)
『さっきはちょっと感動したよ。私、ユメって言います!今度ストリートやるときはメール下さいな。』

「さっきの子かよ!?でもどうやって俺のアドレス知ったんだ??」

不思議に思っているとまたメールがきた。内容は…

『それから!携帯無防備でしたよ!だから勝手にアドレス調べちゃいました☆今度から気をつけるように!!笑』

との事だった。

「最近の女子高生はやる事が大胆というか狡猾というか…普通赤の他人のアドレス勝手に見るか?」

呆れながらもボクは少し嬉しくなっていた。

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