ラストフレーズ
夢の中でボクは鳥で毎日、お城のお姫様のために歌っていた。

ところがある日、お姫様に
「アナタはなぜ翼があるのに自由に飛び回らず、歌ってばかりいるの?それがあなたの本来の姿だと思う?もう一度自分を見つめ直しなさい!」

と言われ、ショックで声が出なくなり歌えなくなる…

というとこで目が覚めた。汗か涙かわからないが、枕が濡れていた…

「今何時だ?」

眠たい目をこすりながら目覚まし時計に目をやると、時計の針は13時を回っていた…

「やべっ!午前の授業休んじまった!それに3限も始まってんじゃん!」

しばらく考えて…

「まぁいっか。今日は休みだ…」

なぜか、ものすごい脱力感に襲われ、しばらく何もせずにボーっとテレビを見ていた。

「俺、何してんだろ…何のために大学入ったんだっけ…?あっ!来週、前期末テストだ!」

ハッと我にかえり、慌てて机に向かう。

その時、ボクの携帯が鳴った…
ケンからの電話だった…

「なに自主休講してんだよ!バンドの事で話あるから学食にこい!」

ボクは渋々了解し、シャワーを浴び、着替えてダラダラとアパートを出た。

真夏の強烈な日射しがなぜか痛く感じる昼下がりだった…
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