忘れないでー好きなまま、さよなら-
『はい』


『俊介かい?』


・・・先生だ。
 担任で、泰の親父である
 岩田先生だ。


俺、卑屈で卑怯なことしたのに
 先生は電話をくれた。


俺、
 心細くて震えあがった。


『先生・・・』


『一人だろ?大丈夫かな?』


ピーポーピーポー・・・


電話のすぐそばで、
 救急車が鳴っている。


近くで聞こえることに、
 違和感を感じた。


俺は、
 窓の外を見た。


玄関先に、
 いる人をみて受話器を持つ手が震え
 電話が手元から放れた。
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