忘れないでー好きなまま、さよなら-
「だったら、何で、
 泰にも親にも秘密にするんだよ。」


「いい子ぶってるみたいで、
 恥ずかしいんだもん。」


きっと
泰、泣いてるんだろうな。


俺も、
泣きたくなっていくよ。





「お前、馬鹿だろ。
 そんなことは、説明が要るだろ。」

物凄い至近距離で
俺の鼓動が聞こえるんじゃないか。
って位だ。


「いやだわ。そんな変な心配してるんだ。」


「当たり前。
 泰にとっては、お前はずっと初恋の子なんだぞ。
 事情は、分かった。
 疑ってゴメンな。」


俺、
真正面を向けずに


「夜更けるし、気をつけて帰れよ。じゃあな」


クルッ


向きを変えて
帰ろうとしたときだった。

 
  
 


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