忘れないでー好きなまま、さよなら-
退院も近いかもな。


そう思わせられているくらいに
 微笑んだんだ。





何度も何度も
 背伸びをして空気を吸い込む姿。





「俺、
 今まで・・・こんな美味しいものを
 食った事ない。

 マジで、俺、生きてるんだなって
 実感するよ。」


涙が出そうになるのを堪える。





「お、俺も食うからな。」


俺が空気を食べると
 隣で昔より笑い転げる泰がいる。

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