忘れないでー好きなまま、さよなら-
廊下に出た。


「俊介。
 カバン預かるね」


「頼む」


そう言い
 私たちは、目を合わせた。


昔は、怖かったけれど
 今は、優しいし

背中を見ていても
 男らしい。


そう思う。
 そう思えるんだ。





会議室が、
 今まで見たことのないような
 大混乱に陥り、
 たくさんの保護者の方で溢れていた。


「先生は?」


いつも、タレ目の優しい俊介の目は
 キリリと男らしい。
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