光の速度、君への想い
ユイは優しく笑いながら答えた。

『優しさの定義は問題じゃなくて・・・安心するのです・・・お兄ちゃんが、あなたの傍にいたら・・優しい存在でいられるから』


『なら、幹也くんが、太陽で私たちは向日葵なのかもしれないね・・・彼がいるから私たちは・・優しくなれる・・・』


二人は言いながら笑い合った。


当の本人の幹也は不思議な感じでこちらを見ていた。


『お兄ちゃんをよろしくお願いします』


ユイがハニカミながら、私にお辞儀をする。


どういたしまして、と返事をしながら握手をした。


いつか、また逢えるのかなと不思議に思った。


ユイとたわいもない話をしながら、久しぶりにココロから笑えた気がした。


妹を懐かしく感じながら。


幹也のおぼつかない運転の車に乗りながら、後部座席で、ユイと幹也の雰囲気を感じながら、なんかイゴゴチの良い縁側の様な気分がした。


まるで、ユイのお姉さん気分になりながら。


佐渡空港に着き、程なくして関東方面行きの飛行機が来た。


ユイは最後まで、笑顔をたやさなかった。


飛行機に乗ったら、この子は淋しくなり泣くのだろうと、感じながら健気な姿を見ながら、胸が痛む幹也は、お兄さんスタンスで最後まで撤した。


私達は、彼女を見送った。
飛行機が青空に消えるまで・・・

幹也は少し悲しい表情をしながら振り返り、いつもの笑顔で立っていた。
そんな幹也の表情をみると、ついいじめたくなる。


悪いくせだ・・


幹也は、優しいけど・・時としてその優しさが、痛いときがある。

鈍いナイフで切られた様な、痛み

幹也はいつもの優しい笑顔で傍にいる・・私は・・・




幸せモノかもしれない。



それは、もしかしたら恋なのかもしれない。
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