赤い月
やるか?と差し出された酒を、景時は素直に受け取った。
少しなら傷にも障らないだろうし、なんと言っても保護者様公認だし、問題ないだろう。
和尚と小僧、師匠と弟子などではなく、ジジィと孫で差し向かい。
たまにはこんな時間があってもいい。
「千景はさぁ、なんてぇのか…
無鉄砲? 猪突猛進? 直情型?
とにかく、いつも自分の心に素直に突き進む奴でさ。」
「うん。」
「オニ狩りも な?
自分でやりたいって言ったくせに、腕はからっきしでさ。
なのに依頼があると状況確認もそこそこに、一番に飛び出してくんだよ。
何回助けに走ったか…」
「うん。」
「危なっかしいったら、ねぇワケよ。
でも、術の腕だけは確かでさ…」