赤い月
…えーと?
いいンだケド。
俺の知らない母さんの話、聞きたいケド。
今夜の本題は違くない?
「…
『赤光』ってのの話で、呼ばれたんじゃなかったの?」
不思議そうに首を傾げる景時に、秋時は事も無げに言ってのけた。
「あぁ、『赤光』ってのは、オニの子のことだ。」
「へぇ。
…
…
…
て… えぇぇ??!!」
「そんなことより、今夜は昔話をしてやろうと思って、な。」
月明かりに照らされて、秋時は片目を瞑りニヤリと笑った。