赤い月

「…
妾を喰えるとでも思ったか?」


挑発しちゃうの?!
待て待て待て待て!

瞬時に景時は全身の筋肉をバネにして跳び出し、駆ける。

だが…


「ガァァァ──!!!」


オニは、自ら千切った腕を振りかざして跳躍した。

間に合わない…


「クソっ」


無力感が、景時を支配する。

また目の前で命が奪われる。

なにもできずに奪われ…

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