赤い月

(あ… でも…)


じゃあ、薫は知ってンだ。

『赤光』がナニかも。
俺がオニだってことも…


「なに突っ立ってンだ?
床、シミになンだろが。」


手の中のタオルを奪い取り、ブツブツ言いつつ自ら床を拭きだす薫を、景時はぼんやりと見下ろした。

変わらない。

なにも変わってない。

俺が『赤光』でも。

アイサレテル。

‥‥‥そうだろ?

景時は薫の隣にしゃがみこみ、柔らかく微笑んだ。


「…ナニ? その顔?
なんか、キモいンだケド?」


急に縮まった距離に若干ヒキ気味の薫に、景時は低く囁いた。
イチゴ牛乳より甘く…


「俺もアイシテルよ、薫。」


「////??!!
クァwセdrftgyフジコ??!!」


「…なんて?」

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