赤い月
やはり阿呆じゃったな
「ん… はっ」
誰がが呻いてる…
いや、喘いでる?
呻いてるならここは地獄で、喘いでるならここは極楽とか?
極楽って、ピンクな世界だったンだ。
仏様も好きだねぇ☆
「っっ!
くはぁっ!」
夢見心地の罰当たりな妄想を、肩に走る鋭い痛みが破った。
「目覚めたか…
気を失ったままのほうが、楽だったものを。」
低めの透き通る声に、景時は完全に覚醒した。
目を見開くと、意外なほど近くに血で汚れた美しい顔があった。