赤い月

「グッ…ガガ ガ…」


「ハイ、終了。
大人しく浄化されよっか?
‥‥って、え?」


「ガガガッ グ…ガッ ガアァァァ!!!」


咆哮と共にドス黒い血が舞った。

オニが自らの腕を引き千切ったのだ。
緩んだ鎖から上半身を解放して、もぎ取った腕を振り回し、その爪で足元に絡みつく鎖も分断していく。


「嘘ぉん」


今夜の相手は少し手強い。
何人喰らってチカラをつけた?

暗い想像に、景時は整った顔を歪ませた。

< 6 / 170 >

この作品をシェア

pagetop