赤い月
「グッ…ガガ ガ…」
「ハイ、終了。
大人しく浄化されよっか?
‥‥って、え?」
「ガガガッ グ…ガッ ガアァァァ!!!」
咆哮と共にドス黒い血が舞った。
オニが自らの腕を引き千切ったのだ。
緩んだ鎖から上半身を解放して、もぎ取った腕を振り回し、その爪で足元に絡みつく鎖も分断していく。
「嘘ぉん」
今夜の相手は少し手強い。
何人喰らってチカラをつけた?
暗い想像に、景時は整った顔を歪ませた。