赤い月

「お偉い住職様、形無しじゃん?」


「…
テメェ、色んな意味で写経の刑、な。」


「…ゴメンナサイ…」


雉も鳴かずば撃たれまい…

灰になりそうな景時の名を、愛しいオニが呼んだ。

いつもより低く囁くように、労りを込めて…


「景時。
そなたは『赤光』(シャッコウ)じゃ。」

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