赤い月

怒りを滲ませる鬼神。
苦しげに顔を歪ませる秋時。

緊迫した雰囲気の中、張本人は置いてきぼりだ。


「妾が気づくのが一刻でも遅ければ、その者の命はなかった。」


「‥‥‥」


「教えてやるがよい。
そなたの務めじゃ。」


「…
おっしゃる通りです。
ご配慮、痛み入ります…」


血が滲むほど噛みしめていた唇をほどき、掠れる声を絞り出した秋時を痛ましげに一瞥し、鬼神は景時に視線を移した。

何かを探り、推し量るような彼女の強い眼差しに、景時の頬は紅潮していく。


「え…と?//」

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