赤い月
「待てって!
行くな… ぅおっ?!」
動かない足で無理に距離を縮めようとして、ガクンと膝をついてしまう。
「景時っ」
「あ… 悪ィ。」
駆け寄った秋時の肩を借りて立ち上がると、彼女は歩みを止め、こちらを見ていた。
「何故、そのような身体で無理をする?」
(おっと?
飛びますオーラが消えてない?)
いつの間にか引き留め作戦大成功?
小さくガッツポーズをする景時に、彼女は困惑の面持ちで問うた。
「そなた…
妾を捜していたと言うておったな?
何用じゃ。
何故、妾に執着する?」
「なんでってそりゃ…
君が好きだから。」