プカプカしてきます
今、私の体は3人の救急救命士に囲まれ、慌ただしく蘇生されている最中。私はここにいるのに変な感じ。

「胸骨が折れるぐらい力強く圧迫し続けろ!まだ間に合うぞ!」

「ハイ!」

オイ!オイ!オイ!気安く私の胸を圧迫するな!潰れるって!胸骨折れたら胸へっこむって!骨だけで盛り上がってるようなもんなんだから。

「AEDの準備はまだなのか!急げー!走れー!このウスノロ野郎がー!」

「ハイ!」

1人の救命士が救急車からオレンジ色のカバンを持ってきた。それテレビで見たことがあるよ。電気で心臓をビリビリするやつじゃん!もう…私の体をこれ以上イジメないで!

「制服が邪魔だ!脱がせろ!早くしろー!女の服を脱がすのに何秒かかってる!そんな不器用では救急救命士は務まらんぞ!」

「ハイ!」

『ハイ!』じゃないよ!もう、ほっといてくれよ!

だけど、そんな私の声が彼らに届くわけもなく、躊躇なく制服はめくられ、あれよあれよという間に上半身は裸にされてしまった。

もうすでにこれは『殿、おたわむれをー』状態だ!
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