秘密な関係
慌てて横に避けると

「安達くん、今帰り?」

「そう」

相変わらず基本、愛想悪いよね

「そっか。じゃあね」

って行こうとしたら

「あのさ」

「なに?」

「飯」

だからさ、いつも思うんだけど最後まで言おうよ

飯行かない?でしょ

って本人には絶対言わないけど

違うか。言えないのかこの威圧感に負けて

「いいよ。何か食べて帰る?後、デザートも?」

って私が言うと

いつもみたいに向かって左側の口角上げてニヤリと笑う

そして左手首を見せて

「お前も、だろ?」

その瞬間、不覚にも神の手首よりも

安達くんそのものに、ときめいてしまった
< 52 / 102 >

この作品をシェア

pagetop