秘密な関係
何かさ

こんな風に一緒に美味しいもの食べて

こんな風に何てことない会話したりって

久しぶりだな

普通に男の人とお付き合いするって、こういう感じなのかな

これが幸せって事なのかな

何かもう手首の事、忘れそうだよ

ふと、ティーカップを持つ安達くんの手元に目がいく

やっぱり、忘れるわけないーっ!!

ちょっと重めのティーカップだから手の甲の筋が半端ない

そしてその筋は、なだらかなラインを描き手首へと…

ああ、ダメだ

一気に気持ちが盛り上がって爆発しそうだよ

「…荒川、おい」

「へっ?あっゴメン。ボーッとしちゃって」

「いや、大丈夫か?何なら噛むか?」
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