秘密な関係
「ちょっと散らかってるけど、どうぞ」

って安達くんに言われて部屋に上がる

その途端、さっきの言葉は社交辞令なんだとすぐに解る

ナチュラルカラーで統一され観葉植物なんかも置いてあるけど

物自体は少なくシンプルでとても清潔感のある落ち着いた部屋だった

私と同じ1LDKだけど明らかにこっちの方が広い

おそらく、あのドアの向こうが寝室かな

ダメだ、緊張してきた

実はここに来るまでの電車の中でもあまり話せなかった

安達くんも同じようにここに着くまでほとんど話す事もなく

ずっと何かを考えているようだった

何か勢いで来たけど意識した途端、言葉が上手くでてこないや

立ちつくしていると

「適当に座って、お茶でいい?」

と声がかかった
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