秘密な関係
ラフな部屋着を来て戻ってきた安達くん

ラフな格好でもやっぱり硬派な感じは変わらない

部屋には音もなく、ただただ沈黙が流れる

気まずくて、お茶を飲もうと手を出した時

安達くんが私の手を取った

「えっ!?」

「お茶もういいだろ?さっきも飲んで来たんだし」

私が驚いていると

「ほら、始めよう」

「始める?」

「男と女が同じ部屋にいて、する事って言ったら一つだろ?」

と言ってニヤリと笑うとさっき取った私の手にキスをした

なんだろ、この感じ

やだ、めちゃくちゃドキドキしてきた

安達くんに目を向けるとゆっくりと顔が近づいてくる

デパートの店員らしく短く切り揃えられた黒髪

キリッとした眉毛に切れ長の目

そして薄い唇がゆっくりと私の唇へと重なる
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