秘密な関係
帰り支度を済ませ通用口から外へ出ると風が冷たかった

ますます、心が折れそうだった

そんな俺にさらに追い討ちを掛けるような人物が目の前にいた

さっき、閉店前に来た男性客だった

「あれ?さっきの時計売り場の人ですよね?」

しまった気づかれた

「先程はお買い上げありがとうございました」

その上、俺に失恋の経験までさせていただいて

と心の中で呟く

「じゃあ、失礼します」

って行こうとしたら

「社員さんの通用口ってここだけですか?」

と聞いてきた

「そうですけど」

って答えて、そのまま行こうとしたら聞いてもいないのに勝手にペラペラと喋りだした
< 83 / 102 >

この作品をシェア

pagetop