秘密な関係
一通り話終わると安達くんは私を真っ直ぐ見て

「あの時、荒川を抱かなかったのは荒川がどうこうって言うんじゃなくて、俺が悪いんだ。俺が自信が持てなかったからだ」

「安達くん…」

「だけど俺はやっと気づいた。心から抱きたいと思った女に出会えたんだ。荒川の事だ。俺は荒川を抱きたい。なあ荒川、この年で童貞の俺じゃダメか?」

そんな事ないよって言いたいのに言葉が上手く出てこない

ちゃんと私の気持ちだって伝えたいのに…

「やっぱり、引くよな?俺が女だったら、そう思う。ごめんな、変な話聞かせて。それより食べよう、せっかく来たんだし」

ダメ、ちゃんと答えなきゃ

ゆっくり息を吸うとちゃんと目を見て言う

「安達くん、私の家に…来る?」
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