恋人達の時間
後朝 ~優登&香子~
「ねえ」
「・・・あ・・・ん」
「ね、見て!」
その一言に 朦朧としながら
薄く目を開けると 胸元に
リネンを巻きつけただけの姿で
微笑む香子の顔が見えた。
左の鎖骨の下 薄く残る紅い痕が
白い肌にエロティックに映える。
俺のモノである証のようで
悪くない。
が、しかし・・・
「何だよ?
・・・んな朝っぱらから」
「薔薇が咲いたの!」
「別に・・・咲くだろ、薔薇くらい・・・」
「んっもぅ!咲くけど 違うの。
いいから見て」
「何だよ?わけわかんねえな」
のろのろと上体を起こして
髪をかきあげ
香子の指差す方を見れば
ベッドサイドに置いた
鉢植えの薔薇が一輪 咲いていた。