恋人達の時間
殺風景だから、と
香子が置いたもの。
世話はしないから枯れるぞ?と
遠巻きに拒んだのに
私がするから!と押し切られた。
「こないだ咲いたので
最後だと思ってたのに
また咲いたの」
「そりゃ よかったな」
まったく・・・
そんな事でこんな早くに
起こすなよ?
昨夜は 否、明け方まで寝られなかったのは
お前も同じだろうが。
大体 花が咲いたからって
そんなにはしゃぐことか?
俺は花より眠りだ。おやすみ、と
心の内で呟いて
もう一度身体を横にしかけた時
「ね、ホラ見て!」と
香子に腕を掴まれた。
またかよ・・・と
舌打ちしたくなるほどの
面倒くささを感じながらも
仕方なく香子を見た。