蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei ~
カーテンの隙間から差し込む陽の光が、シーツを白く照らしている。
絢乃はふっと目を開け、身じろぎした。
・・・いつもと、何か違う感じがする。
絢乃は朦朧としたまま、辺りを見回した。
白いシーツに、見慣れない天井、そして・・・
─── 一糸まとわぬ、自分の姿。
「・・・・っ!!」
昨夜のことが、一気に頭に蘇る。
・・・見ると。
既に慧の姿はなく、自分の荷物以外は既に無くなっていた。
きっと、昨日の言葉通り───慧はマンションに戻ったのだろう。
───絢乃の兄に戻るために。
絢乃は頬を歪ませ、ぐっと唇を噛みしめた。