蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei ~
・・・どうすればいいのか・・・。
今更、身勝手だと分かってはいる。
今、絢乃を苦しめているのは自分だ。
───けれど、絢乃を失いたくない。
どうしても、失いたくない。
失うくらいなら、いっそ・・・。
「・・・」
慧の瞳に、何かを決心したかのような鋭い光がよぎる。
・・・多分、もう少しで絢乃は帰ってくるだろう。
慧はそっと椅子から立ち上がり、リビングの方へと向かった。