蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei ~
はっと顔を上げた絢乃の目に、慧の瞳が映る。
大人の男の色気を帯びた、その強引な瞳。
「言っとくけど、今入るか後で入るかの違いだよ? おれはどっちでもいいけどね?」
言いながら、慧は絢乃の唇に軽く口づけた後、絢乃の首筋に唇を這わせる。
───つまり。
今夜、慧は絢乃を離す気はないらしい。
・・・今夜も、と言うべきだろうか。
絢乃はドキドキしながら、慧を見上げた。
少年のように甘えてきたかと思えば、大人の男の強引さで絢乃の全てを支配しようとする。
そのギャップに、頭が溶けそうなほどクラクラする。
絢乃は慧の腕に額を押し付け、甘いため息をついた。