蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei ~




はっと顔を上げた絢乃の目に、慧の瞳が映る。

大人の男の色気を帯びた、その強引な瞳。


「言っとくけど、今入るか後で入るかの違いだよ? おれはどっちでもいいけどね?」


言いながら、慧は絢乃の唇に軽く口づけた後、絢乃の首筋に唇を這わせる。

───つまり。

今夜、慧は絢乃を離す気はないらしい。

・・・今夜も、と言うべきだろうか。

絢乃はドキドキしながら、慧を見上げた。

少年のように甘えてきたかと思えば、大人の男の強引さで絢乃の全てを支配しようとする。

そのギャップに、頭が溶けそうなほどクラクラする。

絢乃は慧の腕に額を押し付け、甘いため息をついた。



< 149 / 200 >

この作品をシェア

pagetop