蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei ~
慧は二人の関係が変わったことについて、初枝に説明した。
初枝の顔が一瞬ぽかんとした後、みるみるうちに色を失っていく。
・・・無理もない。
幼い頃から兄妹として育った二人が、男女の関係になったのだ。
絢乃もびくびくしながら、慧の説明を聞いていた。
やがて初枝は二人の顔を見比べながら、震える唇を開いた。
「・・・おんや、まあ・・・」
「・・・」
「まあ、お前達は従兄妹だから、問題はないのかもしれないけれど・・・。しかし、まあ・・・驚いたねぇ・・・」
その後の言葉が続かない。
初枝はしばらく沈黙した後、ゆっくりと日本酒のグラスを傾けた。
「・・・時世には言ったのかい、このことは?」
「ううん、まだだよ」
「早めに言った方がいいかもねぇ。・・・ところで、将来のことは考えているのかい?」