蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei ~
その日の夜。
絢乃は畳の上に敷いた布団に横たわりながら、慧の言葉を思い出していた。
───結婚。
ずっと一緒に住んできたので、これからも一緒にずっと住むんだろうなと思ってはいたが・・・。
慧が、そこまで考えていたとは思ってもみなかった。
もちろん、絢乃もずっと慧と一緒にいたいと思っている。
慧がここに戻ってきたら聞いてみよう。
・・・と絢乃は思ったが、慧はここに来るといつもすぐに寝てしまう。
お酒のせいだろうか。
となると、聞くのは帰ってからの方がいいかもしれない。
・・・と思った、その時。
ガラッと障子が開き、慧が姿を現した。
風呂上がりのせいか、白皙の頬が少し紅潮している。
しかしその目はいつもと違い、冴えた光を浮かべている。
「・・・あれ、アヤ。もう寝るの?」