蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei ~
布団の中に入った絢乃を見、慧は片眉を上げた。
・・・もう寝るの、って・・・
いつもは絢乃がそれを聞く暇もなく、慧は寝入っていたと思うのだが・・・。
絢乃は驚き、慧をまじまじと見た。
慧は絢乃の隣の布団に入り、片肘をついて絢乃をじっと見つめる。
「・・・ね、アヤ。さっきの話だけどね」
「・・・うん」
「おれ、本気だから。いずれ正式に言うけど、おれはお前と結婚したいって思ってる」
慧は真剣な瞳でじっと絢乃を見つめる。
・・・その瞳に満ちる、深い愛情。
見つめているだけで、心がジワリと温かくなる。
絢乃の心をこんなにも満たし、温かくしてくれるのはこの世の中で慧だけだ。
絢乃は掠れた声で言った。
「・・・うん。私も、慧兄とずっと一緒にいたい・・・」
「アヤ・・・」