蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei ~
凍りつくような、嫌な予感が慧の背筋を走る。
そしてその予感は、ページをめくるごとに確信へと変わっていった。
『どうしてか、この頃体調が悪い・・・。明日、妊娠検査薬を買ってこよう』
『・・・二度目も、陽性反応・・・。藤村さんは責任を取るって言ってくれているけど、英悟を裏切った私が、彼と結婚するわけにはいかない・・・』
『この子は英悟の子だと主張したら、藤村さんはようやく諦めてくれた。・・・真実を知っているのは私だけでいい。この秘密は墓まで持っていかなければ・・・』
『明日はついに、出産予定日。無事に生まれてくれますように・・・』
───その後、日記は一年ほど途絶えた。
恐らく育児で忙しかったのだろう。
慧は衝撃で目を見開いたまま、震える手でページをめくった。
『・・・慧はもう、歩くようになった。これからは慧と二人で、頑張って生きていかなくちゃ』
『藤村さんからも、もう連絡はない。このまま私を諦めてくれればいいけど・・・』
───しかし、その一年後。
続いた内容に、慧はさらに目を見開いた。