蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei ~
「・・・それって、何でもいいの? チョコと関係なくても?」
「いいよ。・・・何でも聞くよ?」
絢乃はまっすぐに慧の目を見て言った。
慧は絢乃の心を探るように、深い瞳で絢乃の瞳を見つめる。
その瞳にこれまでにない影のようなものを感じ、絢乃は眉根を寄せた。
慧はしばらく絢乃を見つめていたが、やがてその目を細め、くすりと笑った。
「ダメだよお前、そんなこと言っちゃ。おれ、お前にとんでもないこと言うかもよ?」
「・・・とんでもないこと言うのはいつものことでしょ」
絢乃は肩をすくめて言った。
慧は絢乃の向かいに座り、テーブルに片肘をついてくすくすと笑う。
「そう? ・・・じゃあ、例えば・・・」
慧はそこで一旦言葉を止め、正面から絢乃を見た。
───愛情と熱情に満ちた、その瞳。
絢乃はドキッとし、慧を食い入るように見つめた。