蜜愛シンドローム ～ Trap of Kei ～

「・・・おれ以外の男と話さないで。おれ以外の男と会わないで」

「・・・っ!」

「おれ以外の男を見ないで。おれ以外の男に笑顔を見せないで。・・・ずっとここにいて。会社なんか辞めて、ここでずっと、おれだけを見てて」


慧は絢乃を見据えたまま言う。

・・・その瞳に浮かぶ、真剣な光。

絢乃は呆然と慧を見つめていた。

慧はそんな絢乃をしばし見つめた後、頬を崩して笑った。


「ほらね、とんでもないだろ?」

「・・・」


───確かに。

絢乃は内心で戦きながら、目を瞬かせた。

確かにとんでもない。

というか、それを叶えてしまったら自分は引きこもりになってしまう。

慧は戸惑う絢乃を楽しげに見つめた後、口を開いた。