蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei ~
3.Trap of ...
翌週の土曜。
───夜。
絢乃は慧とともに、汐留の高層ビルにいた。
汐留の駅から直結しているこのビルは43階建てで、地下2Fから3Fまでにショップが、4Fから40Fにはオフィスが、41Fから43Fにはレストランが入っている。
二人は43Fの創作イタリアンの店に入り、窓際の席へと案内された。
店内は落ち着いたモダンな雰囲気で、ワインレッドや黒で揃えられた椅子やテーブルが落ち着いた雰囲気を醸し出している。
「綺麗・・・」
窓際の席に案内された絢乃は、慧のエスコートでゆっくりと椅子に腰かけた。
───眼下に広がる、都内の夜景。
絢乃は目を輝かせ、窓の外を見つめた。
慧も瞳を細め、窓の外を眺めている。
慧はチャコールグレーの細身のスーツを身に着け、赤茶のチェックのネクタイを締めている。
それに合わせ、絢乃も以前慧に贈られたピンクのワンピースを身に着け、髪を結い上げた。
イアリングやブレスレットも服に合わせ、シルバーの落ち着いたものを合わせてみた。
盛装するのはあのクリスマスの時以来だ。