蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei ~
「うわぁ・・・」
中に入っていたのは、プラチナのペンダントトップにエメラルドが埋め込まれた、繊細な輝きを放つネックレスだった。
そのシンプルで可愛らしいデザインは、絢乃の心を一目で鷲掴みにした。
目を輝かせる絢乃の前で、慧はひとつ息をつき、まっすぐに絢乃を見る。
───その、真剣な瞳。
「・・・絢乃」
名前を呼ばれ、絢乃ははっと息を飲んだ。
慧の瞳が絢乃の瞳を捕らえ、じっと見つめる。
いつにない真剣さに息を飲んだ絢乃に、慧は緊張で少し掠れた声で言った。
「絢乃。おれと結婚してほしい」
───慧の言葉に、絢乃は目を見開いた。
慧らしい、とてもシンプルなプロポーズだ。
絢乃は一瞬驚いたが、すぐに頷き、言った。
「はい」
───もう、自分の心は決まっている。
慧とずっと一緒にいたい。
慧の幸せが、自分の幸せでもある。
慧を、幸せにしたい。