蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei ~
───それから、一週間後。
土曜の夜。
絢乃は慧の腕の中で、ぼんやりと天井を見つめていた。
・・・頭が朦朧とし、自分が何をしているのかわからなくなってしまう。
慧に抱かれると、いつもこうだ。
慧の指に、声に、肌に・・・自分の全てが溶かされ、何も考えられなくなる・・・。
「・・・ね、アヤ・・・」
喘ぐ絢乃の耳に口づけ、慧は囁く。
・・・絢乃の全身を包み込む、甘く柔らかなウッドノートの香り。
慧は平日は絢乃の体を気遣って自制してくれるが、その分土日は容赦がない。
特に土曜は体力の限界まで抱かれ、失神するように意識を飛ばすこともある。
絢乃はぼうっとしたまま、慧の声を聞いていた。
「アヤ。・・・前に那須でも言ったけど、おれは早いうちに入籍したいと思ってる」
「・・・え・・・っ」
「事務的な部分は、早めに済ませておきたいんだ。・・・できたら近いうちにね?」