蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei ~




絢乃は言いながら、内心で『違う』と言ってほしいと切望した。

───ただの偶然だ、と・・・

命日に来たのもコスモスもただの偶然だ、と。

けれど父が返したのは・・・

絢乃が最も恐れた言葉だった。


「・・・お前達も、もう大人だ。そろそろ真実を話してもいい頃かもしれないな・・・」


───真実。


その言葉に、絢乃は凍りついた。

・・・嫌な予感がする。

まるで、氷の海に突き落とされるような───


・・・そして。

父はゆっくりと、過去の真実について話しはじめた・・・。



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