蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei ~
───しかし。
慧はそんな絢乃の肩にそっと手を置いた。
はっと顔を上げた絢乃の目に、慧の瞳が映る。
・・・これまでに見たことがないような、昏く鋭い瞳。
息を飲む絢乃の目前で・・・
慧はその形の良い唇の端を歪め、笑った。
「・・・アヤ」
その瞳に宿る、強い光。
確固たる意志を感じる、その瞳。
呆然と慧を見つめる絢乃の前で、慧は目を細めてにこりと笑った。
「・・・おれたちは、従兄妹だよ。誰が何と言おうとね?」