蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei ~
はぁと卓海はため息をつく。
ややして、卓海は絢乃の顔を覗き込んで言った。
「見てらんねぇな、全く。・・おい、絢乃。今度、気晴らしにどこか連れてってやるよ」
「・・・え?」
卓海の言葉に、絢乃は目を丸くした。
・・・気晴らし。
「海でも川でも山でも。どこへでも連れてってやるよ」
「・・・加納さん・・・」
「今週末の土曜はちょうどイブだから、イルミネーションを見に行くのもいいかもな。六本木や表参道で、何かイベントをやってるだろ」
絢乃ははっと息を飲んだ。
・・・クリスマスと言えば・・・
あのディナーショーも、クリスマスだった気がする。
・・・ひょっとしたら、慧も来るかもしれない。