蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei ~
今更、どんな顔をして会えばいいのかわからないが・・・
もし慧が来るのなら、自分も行きたい。
万が一慧に会ってしまっても、偶然会ったということにすればいいだろう。
・・・一目でもいいから、慧に会いたい。
しかし、ディナーショーはさすがに一人で行くわけにはいかない。
誰かが同伴してくれれば有難いのだが・・・。
と、そこで絢乃は、卓海が『何か一つ願いを聞いてやる』と以前に言っていたことをふと思い出した。
相手が鬼でも、いないよりは遥かにマシだ。
絢乃は恐る恐る、例のディナーショーについて卓海に話してみた。
「・・・は? ディナーショー?」
卓海は驚いたように目を見開いた。
───それはそうだろう。
しかもよりによってクリスマスイブだ。