蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei ~




「ま、いいけどよ。・・・しかし意外だな、お前がオレとそんな所に行きたがるとはな」

「・・・」

「とりあえず、予約はオレの方でしておく。詳しい日程は前日にでも連絡する。それでいいか?」

「はい。・・・ありがとうございます、加納さん」


卓海の言葉に、絢乃は頷いた。

───これで、ディナーショーには行けるようになった。

慧に会えるといいが・・・。

慧に会うことがこんなに困難なことになるとは、一か月前には思ってもみなかった。

・・・どうして、こんなことになってしまったのか・・・。

絢乃は項垂れたまま、缶コーヒーをひと口飲み、切ないため息をついた。



< 77 / 200 >

この作品をシェア

pagetop